窓の外の新緑が日に日に色濃くなっていくのを毎日楽しんでいます。
4月最初のころの、萌黄色のレース編みのような時期はほんのひととき。
だんだんと若草色になってきて、今はそれに薄紫色の藤の花も重なってきました。
良い季節です。
まだ4月なのに、「薫風」という言葉を使いたいくらいの爽やかな陽気。
今日は中国史の研究をされている献茶の藤原さん宅で中国茶をいただきました。
目を閉じて、五感を研ぎ澄まして味わう静かなひととき。
まるでヨガを始める時の瞑想のような…。
清らかな香りの中にどことなく樹木を感じる。
そうだ、お茶の葉ってお茶の樹から摘むんだっけ。
藤原さんとお話をしながらいただいた鉄観音。
何煎も杯を重ねながら、この頃すっかり忘れていた感覚を思い出しました。
心と身体に耳を澄まして(特に心を静かにさせて)、自分が自然と一体になるような、そんな感覚。
そうして頂く一杯のお茶の味わい。
まるで「お茶」の世界のような。
そしてこちらは藤原さんの黒茶。
1960年代のヴィンテージもの。
カフェインを感じない、なんともまろやかな味わい。
後発酵茶。
中国茶を通して、「人の和」や「心のふれあい」が生まれるような場を作りたいという藤原さん。
そしてなんとなく心に残る「世界を正しく認識してほしい」という言葉。
日々、流れていく暮らしの中で、いくつかの気づきを与えてくれるような、そんなお茶時間でした。